マズローの欲求階層説｜人間の成長を5つのステップで理解しよう

心理学の基本

私たちは毎日、「あれが欲しい」「こうなりたい」と感じながら生きていますが、それらの欲求には順番があることを知っていますか？

マズローという心理学者は、人間の欲求を5つのステップに分け、どのように成長していくのかを整理しました。

この記事では、マズローの欲求階層説について、初心者の方にもわかりやすく紹介します。読み終わるころには、自分自身の「今の欲求」がどのステップにあるのか、きっと見えてくるはずです！

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人間の欲求は順番に満たされる｜5段階のステップを理解しよう

生きるために必要な「生理的欲求」と「安全の欲求」

まず最初に満たすべき欲求は、「生理的欲求」と「安全の欲求」です。

生理的欲求とは、たとえば「食べたい」「寝たい」「水が飲みたい」といった、生命を維持するために欠かせない本能的な欲求です。

この生理的欲求が満たされると、次は「安全の欲求」が出てきます。安心して暮らせる場所、危険から守られることを求める気持ちです。
地震が起きたときに、まず「安全な場所に行きたい」と思うのは、この安全の欲求が働いているからです。

人とつながりたい「所属と愛情の欲求」

安全な生活が手に入ると、次に生まれるのが「所属と愛情の欲求」です。これは、家族や友人、学校や職場などで「仲間になりたい」「愛されたい」と感じる気持ちです。
たとえば、新しいクラスに馴染みたいと思ったり、友達を作りたいと願ったりするのも、この段階の欲求です。

自分を認めてもらいたい「尊敬の欲求」

さらに上に進むと、「尊敬の欲求」が出てきます。これは、他人から認められたい、自分自身を誇りに思いたいという気持ちです。
たとえば、勉強やスポーツで成果を出して褒められたい、仕事で成果をあげて評価されたい、という気持ちがこれにあたります。

自分らしく生きたい「自己実現の欲求」

そして最後に現れるのが、「自己実現の欲求」です。これは、「自分らしい生き方をしたい」「自分の可能性を最大限に活かしたい」という気持ちです。
たとえば、「小説家になって自分の世界を表現したい」「人の役に立つ仕事で力を発揮したい」という夢に向かって努力することが、自己実現の欲求にあたります。

欲求は段階を追って育つ

大事なのは、これらの欲求が段階的に育っていくということです。下の段階がしっかり満たされないと、上の段階の欲求はなかなか育ちません。
たとえば、安全が脅かされている状況では、自己実現のためにクリエイティブな活動をする余裕は生まれにくいのです。まずは足元から順番に、少しずつステップアップしていくことが大切です。

欲求の種類を分ける｜欠乏欲求と成長欲求・一次的欲求と二次的欲求

欠乏欲求とは「足りないものを満たしたい」

欲求には大きく分けて2種類あります。
「欠乏欲求」とは、足りないものを補おうとする欲求のことです。生理的欲求、安全の欲求、所属と愛情の欲求、尊敬の欲求の4つがこれにあたります。
たとえば、お腹がすいているときに「ご飯が食べたい！」と強く思うのは、欠乏欲求が働いているからです。基本的には、満たされると一時的に落ち着きます。

成長欲求とは「もっと良い自分になりたい」

一方、「成長欲求」は、自分をもっと高めたい、成長したいと思う気持ちです。この欲求は、マズローがとても大事だと考えた自己実現の欲求にあたります。
たとえば、「画家になりたい」「自分の店を開きたい」という夢に向かって頑張るのは、成長欲求に基づく行動です。

一次的欲求と二次的欲求

さらに、欲求は「一次的欲求」と「二次的欲求」という分け方もできます。

一次的欲求は、生まれつき備わっている本能的な欲求で、生理的欲求にあたります。

二次的欲求は、成長し他者とのかかわりの中で生まれる心理社会的欲求で、安全の欲求、所属と愛情の欲求、尊敬の欲求、自己実現の欲求にあたります。
たとえば、「友達に認められたい」「勉強でいい成績を取りたい」という気持ちは、環境や経験を通して育まれていくものです。

欲求の土台は「本能的な欲求」

欠乏欲求と成長欲求、一次的欲求と二次的欲求のいずれの分け方でも、本能的な欲求が基礎にあり、それが満たされると成長を求める欲求が生じることがわかります。
まずは生きるための基本的な欲求を満たすこと、それがあってこそ、私たちは「もっと成長したい」という次のステップに進めるのです。

自己実現を目指す生き方｜マズローが伝えたかったこと

自己実現とは「自分らしく生きる」こと

マズローが最も重視したのは、「自己実現の欲求」です。これは、自分の持っている可能性を最大限に発揮して、自分らしい人生を生きようとする気持ちです。
たとえば、音楽が好きな人がアーティストとして活動したり、自然を守りたいと願う人が環境保護活動に取り組んだりするのも、自己実現を目指している例です。

自己実現はゴールではなく「成長の旅」

自己実現は、一度達成したら終わり、というものではありません。マズローは、人間は常に成長し続ける存在だと考えていました。

つまり、自己実現とは「より良い自分」を目指して続く、終わりのない旅のようなものです。どんな小さな努力も、その旅の一歩なのです。

人間性心理学にも影響を与えた

このマズローの考え方は、ロジャースによる「クライエント中心療法」にも大きな影響を与えました。

人は誰でも、成長しようとする力を持っている。心理療法でも、この「人間の可能性を信じる視点」がとても大切にされています。

まとめ｜自分の欲求を知って、なりたい自分に近づこう

マズローの欲求階層説は、人間の欲求の変化をわかりやすく5つの段階に整理したものです。
まずは生きるための基本的な欲求を満たし、次第に「人とつながりたい」「認められたい」という気持ちへ、さらに「自分らしく生きたい」という成長欲求へと進んでいきます。

私たちも、今どの欲求が自分の中で強くなっているのかを意識することで、よりよい自分を目指して歩んでいけるはずです。

日々の小さな努力や選択も、自己実現への一歩。焦らず、一歩ずつ自分らしい未来を目指していきましょう！

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