「誰かに期待されたら、なんだか頑張れる気がした」そんな経験はありませんか?
この記事では、ピグマリオン効果という心理学の考え方について、初心者にもわかりやすく紹介します。教師と生徒、上司と部下、親と子など、身近な人間関係にも役立つ内容です。読むときっと、「期待の力を使ってみよう!」と思えるようになりますよ。
今回の参考書籍

ピグマリオン効果|期待が人を変えるしくみ
ピグマリオン効果とは?
ピグマリオン効果とは、教師や周囲の人が「この子は伸びる」と期待をかけると、本当にその期待に応えるように成長する現象のことをいいます。
この名前は、ギリシャ神話の彫刻家ピグマリオンに由来しています。彼が作った像に恋をし、愛情を注いだ結果、像に命が宿ったという話からきています。
この効果を心理学的に証明したのが、ローゼンタールという研究者です。彼は実験で、教師に「この子たちは成績が伸びますよ」と伝えたところ、本当にその生徒たちの成績が他よりも上がったことを示しました。
自己成就的予言の力
ピグマリオン効果の背景には、自己成就的予言という心理現象があります。
これは、「こうなるはず」と思っていると、その期待が自分の行動に無意識に反映され、本当に実現させてしまう、というメカニズムです。
たとえば、「あの子はきっとできる」と思って接すると、自然と声をかける頻度が増えたり、サポートが手厚くなったりします。すると、その子も「自分は期待されている」と感じて努力するようになり、結果的に成績や能力が伸びるのです。
身近な例を考えてみよう
学校だけでなく、仕事や家庭でもピグマリオン効果はよく見られます。
例えば、上司が「君ならできるよ!」と期待をかけると、部下のやる気が高まり、実際に成果が出ることがあります。逆に、期待されないと、力を発揮しにくくなることもあるのです。
関連する心理効果|期待が与える影響をさらに知ろう
ゴレム効果
ピグマリオン効果には逆バージョンもあり、ゴレム効果といいます。
つまり、教師や周囲の人からの否定的な期待(「きっとダメだろう」)が、悪い結果を引き寄せてしまう現象です。
どちらも、「期待が現実を動かす」という共通のメカニズムを持っています。だからこそ、他人に対しても、自分自身に対しても、前向きな期待を持つことが大切なのですね。
実験者効果
実験者効果とは、研究を行う人の期待が、無意識に被験者の反応に影響を与える現象をいいます。
ピグマリオン効果と似ていて、たとえば「この薬はきっと効く」と思って実験すると、知らず知らずのうちに被験者への接し方が変わり、期待通りの結果が出やすくなるのです。
つまり、人は相手に対する期待を態度で伝えてしまうことが多い、ということですね。
光背効果(ハロー効果)
もうひとつ関連するのが、光背効果(ハロー効果)です。
これは、ひとつの目立った特徴が、他の評価にも影響してしまう現象です。
たとえば、成績が良い生徒を「きっと性格もいいに違いない」と思ったり、見た目が整った人を「きっと仕事もできる」と思ったりするのが、ハロー効果です。
ピグマリオン効果と同じように、「イメージ」が人の評価に大きな影響を与えるんですね。
まとめ|自分のなかに前向きな期待を育てる
ピグマリオン効果を知ると、人に期待することの大切さがよくわかります。
特に子育てや部下の育成、友達との関係では、「あなたならできるよ!」という前向きな言葉かけがとても大きな力になります。
また、自分自身にも期待することが重要です。
「きっと私はできる!」と信じて行動することで、自信がつき、実際に成功しやすくなります。
今日からできることとして、
- 周りの人の「いいところ」を意識して見つける
- 「きっとできる」と声に出して伝える
- 自分にも「大丈夫、できる」とポジティブに声をかける
こんな小さな習慣を始めてみませんか?
期待は未来をつくる力。ぜひあなたも、ピグマリオン効果を日常で味方につけてくださいね!
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